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Cの世界・1

全ての終わり。そして、始まりへ。
C.C.にはルルーシュを、共犯者として、相棒として、恋人として、母親として、愛してほしいのです。
与えるだけのルルーシュに、愛を与えてほしいです。





1.他でもない、貴方自身の願い









周りは何も見えない漆黒。
自分自身さえ見えはしない。
漆黒の空間を漂う内に、だんだん自己というものが消失していくのがわかる。
あぁ、これが死ぬ、ということか。頭の片隅でいやに冷静に考えた。
死んで逝くことに後悔はない。心残りも、ない。
だって、己がいない世界は、望んでいた優しい世界になっているはずだから。
もう、心配いらない。
もう、大丈夫。
ならば、必要ない役者は舞台から降りよう。
すぅっと漆黒が色を増す。
彼はそれに身を委ねた。


「本当に、それで良いのか?」


頭に、誰かの声が響く。
これは、この声は。


「………………C.C.?」


彼が彼女の名前を呟いたとたん、辺りがいきなり明るくなる。
身を委ねていた漆黒は消え失せ、ただ白い空間に彼は立っていた。


「………ここ、は?」
「入り口さ」


かけられた声に、彼は振り向く。
振り向いた先には、黄緑の髪と金の瞳を持つ、灰色の魔女。
彼女は彼に近寄ると、そっと彼の頬に触れた。


「お前は、本当にこれで良いのか?」
「………なにがだ?」


彼女は表情を歪ませる。


「与えるだけ与え続けて、お前自身は何も得られず、最後には切り捨てられる…。それで、良いのか?」


彼は、いつになく必死な彼女を見て苦笑した。


「愛は、与えるもので、見返りを求めるものじゃないだろ? …それに、俺が望んだ優しい世界は実現できるんだ。それで良い。満足だ」
「お前には優しくない世界が、満足か?」
「………俺は、異質な存在だからな。あのまま生きても、たぶん周りを歪めるだけだ。……これも、あるしな」


そっと触れるのは、真っ赤に染まった左目。
後悔はしていない。
契約したことも、ゼロになったことも、兄を妹を父を殺したことも、白の騎士に殺されたことも、全て。
彼女の顔がいっそう歪む。ああ、そんな顔をしなくても良い。
選んだのは俺自身、求めたのは俺自身、実行したのは俺自身。だから。


「俺は、後悔していない」


彼女は少し微笑んだ。慈しむような、慈愛の笑み。


「お前は、優しいな。本当に優しい」


そんなつもりはない。俺は優しくなんか、ない。優しい人間でなんか、いられない。


「いや、お前は優しいよ。それも、自分以外には特にな」


彼女の笑顔はだんだんと涙で雲っていく。
泣かしているのは自分なのだと思うと、心が苦しい。
彼は、そっと彼女の涙を拭う。


「泣くな」
「泣いていない。泣いてなんかないさ。最期まで馬鹿なお前に対する餞さ」


彼女は彼の手にそっと自分の手を重ねた。


「そう、最期。もう最期なんだ。最期くらい、本音を聞かせてくれても良いんじゃないか?」
「本音…って」
「本当に後悔していないのか? 本当に満足なのか? 本当に望みはもうないのか? 本当に、これで良いのか?」


金の瞳が、紫と赤の瞳を見つめる。全てが見透かされそうな、その瞳。


「最期くらい、言ってみろ。私たちは共犯者、だろ?」


魔女は、その名に相応しく笑う。
彼は顔を歪めた。


「………後悔なんて、山のようにあるさ。ナナリーをひとりにする心配もある。
 本当は、全部が夢で、母上もナナリーも元気で、生徒会は楽しくて、スザクも一緒で、ユーフェミアが生きていて……ああ、ついでにC.C.、お前もいて。
 そんな夢のような世界が欲しかったさ………それを、壊したのは俺自身だ。だから、もう望みなんて望まない」


魔女は、片手で彼の頬を包む。
にっこりと笑うと、彼の左瞼に口付けをひとつ。


「やっと、やっと本音を言ったな」


口付けをされた左目が熱い。
力を解放する時と似た疼きが、彼を襲う。
魔女は、慈愛の女神にも負けぬ笑みをこぼした。
ああ、この笑顔を見ているのが自分だけかと思うと、もったいなくて誇らしくて。
重ねていた手が、しっかりと繋がれる。
彼女が手を引く。


「おいで、ルルーシュ」


白い世界が瞬いた。
魔女は微笑む。


「それが望みなら叶えてやるよ」










子どもでいられなかった子
愛を求めることができなかった子
お前のことが愛おしくて仕方がないよ
愛をやる 愛してやる
だから、お前から愛をむしり取る奴らは捨てて、行こう
扉を抜けて、お前の望みが叶う世界へ


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2007.07.01 | | Comments(4) | Trackback(0) | 捏造・長編 / Cの世界

コメント

ありがとうございます。

早速お気に入りに登録させて頂きました。

シー様じゃないですけど、ルルってホントに優しいですよね。ってか、あんな境遇で育ったのに、あんなに優しい子達に育つって奇跡ですよね、ランペルージ兄妹。
「愛は、与えるもので、見返りを求めるものじゃない」とか、「どこのおかんですか!?寧ろ聖母マリア!?」って感じ。
ルル、絶対性別間違ってるよ…。

2007-07-01 日 22:20:44 | URL | 紗鳳寺 のえる #- [ 編集]

紗鳳寺のえる様

今後ともよろしくお願いしますっ!

そうですよね、優しすぎると思います。あれでよくゼロができますよねぇ……
愛を与えるものだなんて断言できる17歳ってすごいですよね……ルルには母性をびしびし感じます。私の中では、ルル母親、C.C.父親な公式が成り立ってます(笑)

2007-07-02 月 00:26:42 | URL | あず #- [ 編集]

ですよねですよね!

>私の中では、ルル母親、C.C.父親な公式が成り立ってます
 私もです。ってか、大体のルル至上の方達の間では、「母親:ルル,父親:シー様,子供:ナナリー(ギアス一家だったらマオ)」って感じに成り立つのが、ある意味常識かと。
「愛は与えるもの」というルルと「愛に飢え、愛を欲しがる」スザク、こうがっちりいく筈なんですがね~…。

2007-07-02 月 20:33:33 | URL | 紗鳳寺 のえる #- [ 編集]

やっぱりそうですよねVv

素敵な家庭ですよねVv ルルが一番幸せになれそうな家庭Vv 愛を与える側がルルだけじゃないのが理想ですね、やっぱり!

>「愛は与えるもの」というルルと「愛に飢え、愛を欲しがる」スザク
………上手くいかないものですね……こうまでばっちりなのになぜすれ違うんだ……

2007-07-02 月 21:53:44 | URL | あず #- [ 編集]

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