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企画小説☆その6

リクエスト小説第六弾「25話のゼロバレ後、他の人たちにも素性が知れ渡り、多数の女性陣に守られるルル」です!
このお話は、「スザク苛め」な要素を含んでおりますので、スザク好きな方はご遠慮ください。
えー……フィーリングで感じ取ってください^^;(←ヲイ…)

それではどうぞー☆






Vergiss mein nicht










黒の騎士団が、エリア11にて反旗を翻し、結果鎮圧されてから、もうずいぶんとたった。
ゼロが討たれてからの黒の騎士団は、あっけないもので、そのほとんどが戦死するか捕まっていた。少数の幹部は今も、死体すら見つかっていない。逃げているのか、死体すら残さなかったのかは分からない。軍は、奇跡の藤堂、四聖剣、副司令官などの、黒の騎士団内でも力を持っていたと思われるメンバーを重点的に探索している。
租界は、だんだんと以前の形を取り戻しつつある。まだ、復興していない区域などはあるが、政庁エリアや学園エリアは、被害が少なかったこともあり、ほぼ元の形を取り戻していた。
その、学園エリアの一角にあるアッシュフォード学園の敷地内を、枢木スザクは歩く。
ユーフェミア皇女の正式な騎士となり、ゼロを討った事によって、彼の事は軍で知らない者はいない。ユーフェミア皇女が亡くなった現在も、佐官を有しており、特派のデヴァイザーとして毎日を送っている。
軍の方が一息つき、彼は学生服を着込んでアッシュフォードに来ていた。彼の主、ユーフェミア皇女の遺言に従って、再開された学園に登校してきたのだ。
登校…とは言っても、もう授業は始まっている時刻。スザクは仕方がなく、次の授業まで待つ事にして、クラブハウスの方に行った。
クラブハウスを目の前にして、少し立ち止まる。
考えるのは、このクラブハウスに住んでいた兄妹の事。
あの時、兄の方を撃った後、彼の妹を助けようと遺跡の扉の向こうを探したが、そこには何もなく、彼女もいなかった。
その後、兄の方が死んでいるのを確認して、スザクはランスロットに乗り込み、政庁へと向かったのだ。
未だに、彼女は見つかっていない。死亡リストにも載っていないので、生きていると思いたいが、会いたくないとも思う。
だって、彼女の最愛の兄を殺したのは自分だから。
どんな顔で会えば良い?
会えるはずがない。
頭を一振りして、考えを霧散させる。この兄妹の事は、いつもなるべく考えないようにしていた。そうしないと、自身を保つことができなくなるから。
スザクはクラブハウスに入って、生徒会室を目指す。この時間では、全員授業中だろうが、アーサーぐらいは居るかもしれない。あの時、あの夜に助けてもらった礼も、まだ言っていないし。
そう思って、生徒会室の扉を開く。そこにいたのは。


「………あれ、二人ともここにいたの?」
「………………スザク…」


生徒会室には、ミレイとシャーリーがそれぞれ自身の席に座っていた。
スザクが生徒会室に踏み入る。そして首を傾げた。


「あの、どうかしたんですか? なんか、酷い顔色ですけど…」


二人とも、酷く顔色が悪い。それにどこか遠くを見ているような虚ろな瞳をしていた。
心配そうに、スザクは一番近くにいたシャーリーの肩に触れようとする。しかし、シャーリーはスザクの手から逃げるように身を引いた。


「え…」
「……ないで………触らないで……っ!」


シャーリーは泣き出しそうに顔を歪めて、自身を守るかのように抱きしめた。そしてスザクを睨みつける。


「…ルルを………ルルを、殺したその手で、触らないで……っ!!」
「なん…!? なんで、その事を…!?」


シャーリーの言葉に、スザクは動揺する。


「どうして…? どうしてルルを殺さなきゃいけなかったの……? どうして、ルルを殺したの…?」
「…っだって! あいつは君の父親を殺したんだよ!? それだけじゃない、他にももっとたくさんの人を!!」


スザクの言葉に、黙っていたミレイが立ち上がって言う。


「だから?」
「だ、から…って……!?」
「貴方だって、殺しているじゃない。軍人として、たくさんの人を。どこが違うの?」
「それは…っ!!」
「軍人だから、皇女の騎士だから、それが人を殺す事に対しての免罪符になるの? 同じなのに、ルルーシュは、ゼロは裁かれて、貴方は裁かれないの? どうして?」


スザクは目を見開く。何が、何が起こっているんだ?
シャーリーがその瞳から涙をぼろぼろと溢した。


「私も、人を殺した」
「シャーリー!? 何を言って……」
「殺したの。ルルの事も撃った。だから、私も裁かれなきゃいけないのに、なのに私の罪は全部ルルが持って行ってくれた。他にも、いっぱい背負ってるのに、私の分まで背負ってくれた。幸せになって、良いよって。忘れて、良いよって。優しいよね、ルルって。なのに、どうして? どうして死ななくちゃいけないの?」


シャーリーが泣きながら崩れ落ちる。その震える肩を、ミレイが支えた。


「どうして? どうして、ルルーシュが死ななくちゃいけなかったの? そんなに、悪い事だったの?」
「何を言っているんですか! ゼロは、あいつの思想は危険なんです! ……あいつの願いは、叶えちゃいけないんだ!!」
「…………どうして?」
「っ!?」


背後から、いきなり第三者の声がかかり、スザクは振り向いた。
そこには、必死で探したが見つからなかった少女と、いつの間にか姿を消していたクラスメイト。


「ナナリー、カレン! 無事だったのか!」


ほっとした息をついて、側へ寄ろうとしたスザクを、言葉の壁が止める。


「スザクさん、どうしてなんですか?」
「え…っ」
「どうして、お兄様の願いは、叶えてはいけないんですか?」
「当たり前だよ! だって……」


そこでスザクの言葉が止まる。そう言えば、彼の願いとは、何だった? 合衆国日本の建国? ブリタニアの破壊? どれもそうと言えるが、どれもそうとは言えない。
ナナリーが悲しそうに、表情を歪めた。


「私は、幸せになってはいけませんか?」
「…そんな事ないよ。誰にだって、幸せになる権利はある。もちろん、ナナリーにだって」
「でしたら、どうしてお兄様の願いは叶えてはいけないんですか?」
「………え?」


スザクは、ナナリーの言っている事の意味が分からない。
ナナリーの閉じられた瞳から、一筋の涙が溢れた。


「お兄様は、私が幸せになれるように、しようとしてくれていたんです。確かに、やり方は良くはなかったかもしれません。でも、お兄様の願いは、“ナナリーが幸せになる事”。…もう一度問います。スザクさん、お兄様の願いは、叶えてはいけないんですか?」
「……………」
「お兄様がいない世界では、私は幸せになれません。なのに、どうしてお兄様を殺したんですか?」


スザクは目を見張る。口を開くが、そこからは言葉が発せられずに、ただ、音だけがこぼれ出ていた。
何だって? どう言う事だ? 彼女は、一体何を言っている?


「哀れね。枢木スザク」


ナナリーのすぐ側に、騎士のように立っていたカレンが、蔑むようにスザクを見た。


「ゼロは、ルルーシュは貴方の父親と同じなんだったわね? 本当に? 貴方はゼロの事も、ルルーシュの事も知らないのに、知ろうとしないのに、何でそんな事が言えたの? 本当に、ゼロは、ルルーシュは、そんな人物なの?」
「……あ………ぅ……」
「貴方こそ、父親にそっくりじゃない!」


スザクが、がくっと崩れ落ちる。
頭を抱えて、震えだした。
違う違う違うちがうちがうちがうっ!! だって、だってゼロは悪だ。彼さえいなくなれば、世界は平和になれる。彼がいるから、この世界は悲しいんだ。だから、彼さえいなくなれば………っ!


「本当に?」


いつの間に部屋に入ってきたのだろう。部屋の奥に、魔女が立っている。
魔女は悲しそうに笑った。


「あいつは、いつもお前の事を気にしていたよ。お前が死なないように、色々と考えていた。優しくなった世界で、お前がナナリーと一緒に笑っていてくれる事を願っていたよ。その世界に自分がいなくても、そんな世界を造ろうと、守ろうと、必死だった」


魔女は、一歩前に出た。


「お前は、お前の考えは、本当に正しいのか?」
「どうしてルルが死ななくちゃいけなかったの?」
「どうして貴方は裁かれないの?」
「どうしてお兄様の願いは叶えてはいけないの?」
「どうして何も知ろうとしなかったの?」
「………ゼロが死んだのに、お前の言う通りに、どうして世界は優しくならないんだ?」


どうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうして?
スザクは頭を抱えて蹲る。周りからかけられる言葉から逃れるように。逃げるように。
それでも彼女達は問い続ける。
永遠に続くかと思うほどに続いた言葉を止めたのは、彼の一言。


「その辺にしといてやれ」


その一言に、問いの言葉が止まる。
スザクは、その声を聞いて、頭が真っ白になった。
ありえない! だって、確かに心臓を撃った。確かに死んでいるのを確認した。だから、彼がここにいるのはありえない!!
スザクが震えながら頭を上げると、そこには、学園でいつも見ていた彼と全く変わらない彼が、スザクを見て笑っていた。
上手く言葉を発しない口を、開く。


「る………るるー、しゅ……? ど、して……?」


名前を呼ばれた彼は、より一層笑みを深くする。そんな彼を守るかのように寄り添うかのように、ミレイが、シャーリーが、ナナリーが、カレンが、C.C.が、スザクと彼との境界を作った。
くすくすと、彼は笑う。にやりと、口元を三日月の形にして、スザクを見た。


「もう一度会えて嬉しいよ、スザク」


くすくすと笑っているはずなのに、彼の表情は冷たい。
その紫水晶の瞳は、淡々と冷たい視線をスザクに向けて、一瞬だけ緋く染まった。










だって、“友達”なんだろう? 俺達
“友達”なら、会いに来るのは当たり前だろう?
ああ、でも
俺はその“友達”に殺されたんだよなぁ
そう言う場合はどうなるんだろうな
なあ、教えてくれないか。スザク?


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2007.09.17 | | Comments(5) | Trackback(0) | 短編小説

コメント

初めまして!

初めまして、神崎麻華と申します。

いやあ…本当に気持ちいい小説です!!
私の胸の内にある言葉を全て女性陣が代弁してくださってます!!

懺悔できないのはスザクの方、父親と同じなのはスザクの方ですよね。
自分のことを見ようともしないスザクなのに
ルルはずっとずっと見捨てることなく、罪も全部含めて
受け止めていたのに、あそこまで言うなんて…。
第一、ルルの願いを叶えてはいけない=ヴィ兄妹は幸せになってはいけないって
言っているようなものなのに!!
言いたいことが多すぎてコメントが長くなりそうなので省きますが、とりあえず
すっごく気分の良くなる小説でした!
これからも頑張ってくださいね^^

それでは!

2007-09-17 月 21:31:24 | URL | 神崎 麻華 #hnaCdIdg [ 編集]

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2007-09-17 月 23:22:08 | | # [ 編集]

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2007-09-18 火 15:11:19 | | # [ 編集]

コメントありがとうございます!

神崎麻華様
初めまして! 気持ちを代弁することができたようで嬉しいですVv
愛は与えるもの…そうは言っても、スザクにもうちょっと見返りを求めても良いくらいですよね!
スザクは、ルルーシュからの愛を自然なものと考えすぎです。ルルーシュがスザクに対しての愛は、決して自然な空気の様なものじゃないってことに気付いてないですよね……
コメント、ありがとうございました!



17日23時の方
毎回見ていただいてありがとうございますVv
スザクの総虐めが好きと言ってくださり、幸いですVv これからの本編はルルーシュに優しいものになっていると良いですよね! 本当に切に願います…^^;
HPを作られるんですか? もし作られたら教えてくださいねーっ見に行きますVv
企画小説もがんばっていきますのでこれからもよろしくお願いしますVv コメント、ありがとうございました!



18日15時の方
スザク虐めって、皆さんやっぱりお好きですね! 嬉しいです!(笑)
な、なんですかその情報…っ!! 面白い立場…面白い……なんだろう、ルルーシュに優しい方向性ならば大歓迎なのですが、あの監督のやる事なので怖い……っ!!^^;
FF7のクラウドは知ってますー今CCやっているところなので><* クラウドが櫻井さんって知った時は「えぇー?? 本当に??」って感じでした。声優さんって、役によって声がすごく変わるのですごいですよねー…
私も櫻井さんの声は好きですがスザクは微妙……^^; いや、嫌いって訳じゃないんですけど、好きになれないと言うか……><;
本当に、第二期にルルーシュが幸せになれる事を祈りたいです。コメント、ありがとうございました!


2007-09-18 火 23:05:51 | URL | あず #- [ 編集]

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2007-10-04 木 12:42:31 | | # [ 編集]

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