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Cの世界・15

少し、風邪をひきました……
夏風邪は馬鹿がひくー………^^;
とりあえず更新しまして、風邪治してきますー





15.その紫に映るのは










ルルーシュは飛び起きた。
窓の外はまだ暗く、鳥の声さえまだ聞こえてこない。
頬を伝った冷や汗を拭って、大きく息を吐いた。
また、いつもの悪夢。かたかたと震える手を、ぎゅっと握りしめた。
大丈夫、ここは大丈夫。母は死んでいないし、ナナリーは足も目も無事だ。日本は日本のままだし、スザクは軍に入っていないし、ユフィは生きている。
一通り呟いてから、もう一度息を吐いた。落ち着いてきたみたいで、手の震えも止まっていた。
ホッとしてから、膝を抱く。そして激しい罪悪感がルルーシュを襲った。
毎日毎日、同じ行動を繰り返している。
再び眠っても、また同じ悪夢で目が覚めることを知っているルルーシュは、このまま起きておくことにして、ベッドから抜け出した。





寝不足なせいか、いつも以上に授業に集中できない。ノートの上には意味を成さない文字が、ミミズのように書かれていた。
気が付くと、いつの間にやらもう放課後だ。


「おーい、ルルーシュ? 今日は珍しく起きてたんだな」
「………まあな」
「ルルーシュ? なんか元気ないの?」
「いや、ただ単に寝不足なだけだ」


苦笑しながら答えるルルーシュに、スザクは眉を寄せた。


「夜遊びでもしてるのかい? そういうのはほどほどにしないと」
「………………いや、そう言うのじゃない」


一瞬、どきっとした。前にも言われたことのある台詞。この世界では今が初めて。
ルルーシュは苦笑した。根本的な部分は、やっぱり変わらないんだな。
じっとスザクを見るルルーシュに、リウ゛ァルは首をかしげた。


「どした、ルルーシュ。スザクの顔になんかついてんのか?」
「いや、何でもないさ」


当のスザクは、ルルーシュを心配そうに見つめた。


「ねぇルルーシュ、本当に大丈夫?」
「ああ、大丈夫だってば」


心配性だなと笑えば、スザクもつられて笑う。
と、その時、スピーカーから、ミレイの声が流れてきた。


『ちょっとちょっとちょっと! 生徒会の男性メンバー諸君ー? 今日は臨時会議するって言っておいたでしょー?? 早く来なさい! 最後の人には罰ゲームつけちゃうわよ!! さあ今から五分以内! カウントするわよー!!』


三人は一瞬固まったが、すぐに動き出す。罰ゲームなんて、受けてたまるか!
立っていたので、そうそうに廊下に出ようとしているスザクとリウ゛ァルを追いかけようと、ルルーシュは立ち上がる。しかし、その瞬間、世界が反転した。

ガタンッ!!

椅子と共にルルーシュは倒れ込む。頭が朦朧とするし、気持ちも悪い。


「ルルーシュ!?」
「うわ、おい大丈夫か!?」


スザクとリウ゛ァルが慌てて駆け寄る。スザクはルルーシュを抱き起こして、眉を潜めた。


「………熱い……ルルーシュ、熱ある? ……ルルーシュ? ルルーシュ!」
「おいおい、意識なくしてんの? やば……俺先生呼んで来る!」


二人の声を、何処か遠くに聞きながら、ルルーシュは、自分の意識が遠のくのを感じた。


「待ってリウ゛ァル! こっちの方が早い!」


スザクがそう言ったと思ったら、体がふわりと浮く感触。
見ることはできないが、自分は今スザクに抱えられているのだろう。最近、多いな。
客観的な自分は、こんな時でも冷静だった。





深く、深いところで、ルルーシュは漂っている。
辺りは暗い。真っ暗だが、自分の姿ははっきりと見えていた。
そこでぼんやりと考える。いろんな考えが、いろんな記憶が、いろんな思い出が、ルルーシュの頭の中を過ぎ去って行く。
その考えは、記憶は、思いでは、ルルーシュのものであって、ルルーシュのものではない。
いくつも通り過ぎていく中で、やっとルルーシュのものが現れる。
ルルーシュはそれに手を伸ばそうとした。
触れようとした手が止まる。もし、優しい世界になっていなければどうしよう。もし、彼女が泣いていたならどうしよう。
もしもの考えがちらついて、手を伸ばせない。
背後からは優しい世界が手招きをしている。それを拒むことは難しい。
触れることはなく、意識が浮上していく。
離れていくそれをじっと見つめながら、ルルーシュは瞳を、開けた。





瞳を開いた先には、真っ白な天井。


「………あ、気が付いた?」


茶色いくせっ毛が覗き込んでくる。その表情は心配げ。
ルルーシュはぼんやりする頭で、必死に考えようとするが、まったく考えることができない。


「教室で倒れたの覚えてる? ここは保健室。先生曰く、寝不足による貧血だって。今夜からは、きちんと眠りなよ?」


熱もあるみたいだからと言って、額に手を当てる。発熱しているらしい自分より、冷たく感じる手が、心地よい。
その手が、離れていこうとするのを、思わず止めた。


「ルルーシュ? どうかしたのか?」


優しい笑顔。最後に見たのはいつだったか。
ルルーシュは回らない頭で、とりとめもないことを考える。


「………………………ごめんな」
「え?」


ルルーシュは手を握る力を増した。


「……お前に、殺されるなら、それでも良いと思ったんだ」
「は? え、ちょっとルルーシュ?」
「お前が、俺を憎むのなら、それで気が済むのなら、それで良いと思ったんだ………………逃げてるよな。お前を、死ぬための理由に、するつもりはなかったんだ…」


お前には、ナナリーの横で、ナナリーと一緒に笑っていてほしかったんだ。
ルルーシュは呟く。
その時、扉が開かれた。


「ルルーシュ! 大丈夫か!?」


ルルーシュは視線を、茶色のくせっ毛から黄緑の髪に移す。
だんだんと意識がはっきりとしてきた。


「C.C.……? なんで、ここに?」
「リウ゛ァルが電話で呼んだんだ。……それよりルルーシュ、今のって…」
「今の? なんのことだ?」
「………覚えていないの?」


ルルーシュはきょとんと首をかしげた。意識がぼんやりしていたせいか、全く何も思い出せない。
眉を寄せているスザクを押し退けて、C.C.がルルーシュの頭を撫でた。


「倒れたと聞いて驚いたぞ。…家でゆっくりと休め。今鞄を取りに行ってくるから、それまで待っていろ」
「………ああ」
「…あと、」


C.C.の目が細められる。


「いつまで手を握っているつもりだ?」
「…は? え、ああ。すまないスザク」
「…いや、良いよ」


スザクは困惑気味の表情で、握られていた手をじっと見つめた。
C.C.が鞄を取りに行くために身を翻す。


「少し待ってろよ。すぐ戻ってくるからな」
「あ、待って。僕も行くよ」
「は? 貴様なんぞいらん。私一人で十分だ」
「良いから良いから!」


スザクが押し切る形で、二人は廊下へ出て行った。それを見届けたルルーシュは、再び真っ白い天井を見つめる。
いったい、何を考えていたのだろうか。色々考えている内に、だんだんと眠気が増して来る。
ルルーシュは瞳を閉じて、再び深く深く降りて行った。





「いったい何なんだ?」
「君に、聞きたいことがある。ルルーシュのことで」
「…一応聞いてやる。手短に話せよ」


スザクは一瞬口ごもるが、一度目を閉じてから、意を決した表情でC.C.を見た。


「僕がルルーシュを憎んでるって、なに?」
「………!?」
「ルルーシュを殺すことによって、僕の気が晴れるって、なに?」
「ど、こでそれを……」
「さっき、ルルーシュが口にしていた。覚えていないみたいだけど」


C.C.が困惑したように顔を歪めた。


「…………寝ぼけてただけだ。大方、変な夢でも見たんだろう」
「本当に? 本当にそれだけなのか?」
「………………何が言いたい」


C.C.はスザクを睨み付けた。しかし、スザクはそれに怯むことはない。


「最近、ルルーシュの様子がおかしくないか? 時々、悲しそうな辛そうな表情で僕を見る。………この間、ユーフェミア様が来た時も変だった」
「………………………よく、見ているな」
「何か知っているなら教えてくれないか? 僕は、ルルーシュにあんな表情はさせたくない。笑っていてほしいんだ」


スザクはC.C.の金色の瞳を真剣に見つめた。
C.C.は苦笑した。


「………知ってしまったら、もう今までみたいにはいかなくなるぞ。お前に、ルルーシュの全てを背負う覚悟はあるのか?」
「それで彼が笑ってくれるのなら、僕も一緒に背負ってみせる」


スザクは即答する。C.C.は目を細めた。
こいつに、耐えられるのだろうか?あちらのこいつは、耐えられなかったのに。……そうなれば、記憶を消せば良い。こいつの覚悟を見てやろうじゃないか。
………ルルーシュの側に、いることを認められる器か否か。
耐えられないのであれば、排除すれば良い。耐えられたのならば、その時は……。
C.C.はスザクの腕にそっと触れた。あちらの情報と、記憶を渡すために。


「………………後悔しても、知らないからな」


力を込める。C.C.の額に、赤い鳥が浮かんだ。









どこまでも深く落ちていく
深く深く深く
どこまでもどこまでも
落ちて落ちて落ちて
そして
それに触れた


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2007.08.06 | | Comments(2) | Trackback(0) | 捏造・長編 / Cの世界

コメント

遂にスザク参戦…なるか!?

>お前を、死ぬための理由に、するつもりはなかったんだ
TV本編のスザクは、1話でルル,16話でナナリーと、2人を死ぬ理由にしましたけどね(にっこり☆←勿論嫌味です)
 覚醒前のぼけぼけ状態だったからこそ、口走ってしまったルル…。
遂にスザクも「Cの世界』ではない「現実世界」での真実を知ってしまう時が来ましたね。
果たしてスザクは、「背負ってみせる」という己の言葉通り、ルルの全てを受けとめ、参戦する事が出来るのか…!?
言ったことは守れや~、スザク。有言実行,不言実行は格好いいけど、有言不実行は情けないからな~。男として最低だからな~。

2007-08-07 火 16:44:49 | URL | 紗鳳寺 のえる #- [ 編集]

紗鳳寺のえる様

スザクがランペルージ兄妹を死ぬ為の理由しましたが、ルルも同じことが言えると思うのです。ですが、ルルはきちんとそれを理解していると思います。なのでこんな感じに…^^;
さあCの世界のスザク君は背負えることができるのでしょうか!? 漢を見せることができるのでしょうか!?(笑)

2007-08-08 水 22:45:34 | URL | あず #- [ 編集]

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