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10万hitリクエスト企画23

リクエスト企画第二十三段!! 霧堵様のリクエストで「25話後生存。助かったが記憶喪失でC.C.にインプリンティング」です!!
インプリンティングとのことで、ルルーシュを多少子供っぽく…
あと、辛い記憶やら気を張る理由もないので普通の男の子みたいな感じに……
リクエスト文にあったルルに会わせてOKな面々の中から、書きやすいのでミレイさんとリヴァルをチョイスしてみました

ではでは! リクエストくださった霧堵様のみお持ち帰りOKです。著作権は放棄していませんので、そこを配慮してくださればお好きにどうぞwwリクエスト、ありがとうございました!!
それではどうぞー☆












○消えた記憶、得た平和








C.C.はチャイムが鳴った玄関を開ける。
そこには、今日来る予定になっていた二人。手土産にケーキの箱を持ったミレイとリヴァルだ。
予定時間よりもだいぶ早い到着に、C.C.は笑った。


「なんだ、お前達。約束の時間までだいぶあるぞ? 早すぎないか?」
「良いじゃないのC.C.! ちょーっとくらい早くてもね」
「そうそう。どうせ今日は俺達のために開けてくれてるんだろー?」


C.C.は苦笑する。この二人は高校時代のままだな。
一応はお客という扱いになる二人を、C.C.はリビングへ案内しようとする。しかし、ミレイがそれを遮って尋ねる。


「ね、ルルちゃんは?」
「あいつならまだ外だぞ。お前達が来る時間までまだあるから、取れたてのオレンジを使ってジュースを作るんだって言って、咲世子とアーニャを連れて畑の方に行っている」
「なら私達もそっちに行きましょ!」
「ルルーシュに会いに来たんですもんね」


そういって笑う二人に、C.C.は仕方がないといった笑み。
手土産のケーキはキッチンにいたジェレミアに渡して、三人は畑へと向かった。
道すがら、ミレイはC.C.に聞く。


「…あれから、ルルちゃんの様子は?」
「…変わらずだ」
「………そう」


沈んだ表情の二人。C.C.も眉を寄せた。
あの、世界が平和になった日。ルルーシュ・ヴィ・ブリタニア皇帝は死んだ。ゼロに刺されて。その遺体はゼロによってどことも知れずに葬られたとされている。
あの時、ゼロに扮していたスザクから、ルルーシュを渡されたC.C.は、スザクがゼロとしての責務を果たそうと去って行った後、気付いたのだ。ルルーシュが死んでいないことに。
ゼロに刺されて、出血多量で仮死状態に陥ってはいたが、彼はまだ生きている。すぐに処置すれば助かるかもしれない。そう思った瞬間、C.C.は咲世子に連絡していた。
そして、咲世子と一緒の牢獄にいたロイドとセシルの手助けもあり、ルルーシュはなんとかその生命を取りとめた。
それから昏睡状態が続くこと一か月。やっと目覚めた彼は…。

目の前のオレンジ畑で、オレンジに手を伸ばす黒髪の青年。その姿を見つけたC.C.は、彼の名前を呼ぶ。


「―――ルルーシュ」


その声に、ルルーシュは振り向いた。とびきりの笑顔で。


「C.C.!」


駈け寄ってくるルルーシュ。オレンジを取っていた咲世子とアーニャもこちらに気付いた様で、おじぎをひとつ。
駈け寄ってきたルルーシュは、ミレイとリヴァルを見て、にっこりと笑った。


「ミレイさん、リヴァルさんこんにちは。もう、約束の時間でしたか?」
「…ううん。私達が早く来ちゃっただけ!」
「こーら、ルルーシュ! 敬語はなしって言っただろ! あと、俺にさんってつけるなっての!」
「あ、すみません。つい」
「ほらまた!!」


あははと笑い合うルルーシュとリヴァル。そんな二人を見て、ミレイは優しく笑った。


「今、オレンジを取ってたんで…取ってたんだ。ジュースにするにはもうちょっとかな」
「あ、じゃあ俺も手伝うよ」
「え、でもお客様だし…」
「いーの、いーの! ミレイさんはC.C.と待っててくださいねー。俺の取ったとっておきのオレンジジュースをプレゼントしちゃいますから!」
「作るのは俺だろう?」
「当たり前じゃん!」


笑い合いながら、楽しそうにオレンジ畑へと戻って行く二人。
待っていろと言われたC.C.とミレイは、その場に腰を下ろしてルルーシュ達の様子を眺める。
少し憂い顔のミレイに、C.C.は大丈夫かと尋ねる。


「んー……あんまり? でも最初に比べればね」
「十数回会っているからか、お前達はあいつの内側にいるみたいだぞ?」
「あ、そうなの? ふふ…嬉しいわ。……最初は、かなりへこんだから…」
「………………」


一命を取り留めたルルーシュが目覚めた時、彼は今までの記憶を一切なくしていた。
全ての記憶を失って、ルルーシュは真っ白の状態だった。まるで、神がここから始め直す様にと言っているかのように。
真っ白な状態で一番初めに視界に入ったせいか、現在のルルーシュはC.C.に絶対の信頼を寄せている。それ以外の人間とは、なかなか近づこうとはしない。今ルルーシュがC.C.以外に気を許しているのは、彼らをかくまったジェレミアとアーニャ、身の周りの世話をしてくれている咲世子、たまに訪れるロイドとセシル、そしてミレイとリヴァルだ。その他にはまだ会っていないし、C.C.は会わせる気もない。
ミレイとリヴァルの時ですら、最初はまったく駄目だったのだ。一回目は話をすることもできなかった。二回目は、なんとか挨拶ができた。三回目でやっと会話ができた。
最初はルルーシュの様子を見て泣いていたミレイだったが、最近は暇を見つけてはよく訪れる様になった。ルルーシュとの距離を少しでも縮めたいから。


「初っ端に怯えられたのは悲しかったけど、今はだいぶ普通に話してくれる様になったし。……それに」
「それに?」
「記憶、思い出してほしいけど、今のままでもいいのかもしれないって、リヴァルと話してたの」
「……………」
「だってあんな笑顔のルルーシュ、初めて見たもの。あんなに、普通に笑ってるの、学園ですら見たことなかった。……だから、このまま……忘れたままの方がいいかなって。それに、またこれから友達関係築いていけばいいんだし、ね」
「……そうか」


C.C.とミレイの間を風がすり抜けていく。
視線の先には、年相応に笑っているルルーシュの姿。あの頃では、考えられない表情だ。


「そう言えば、ナナリーやスザク君には、このまま黙っておくの?」
「…………そうだな」
「何か問題でも?」


尋ねるミレイに、C.C.はため息を零した。


「ナナリーやスザクに伝えようとは思うが、今は無理だ」
「無理って……ルルーシュの拒絶反応が出てるの? あの二人に?」


ミレイの言葉に、C.C.は頷いた。
記憶を失っても、体が覚えている。もしかしたら、体が心を守るために反応しているのかもしれない。
最初に拒絶反応を見せたのは、TVに映っていた黒の騎士団。次に反応が出たのは日本国首相扇。この辺りは、仕方がないと思うのだ。過去が過去だけに。


「…TVに映っていたナナリーを見て、わずかだが拒否的な反応を見せた。扇の時みたいに、真っ青な顔になって部屋から逃げ出すほどではなかったんだが、いきなりチャンネルを変えた」
「………そんな」
「スザクは……ゼロの衣装だということもあるだろうが、やはり逃げ出した。スザク自身に対しては写真を見せたがあまり良い顔はしなかった」
「……………そう、なの」
「お前達みたいに、何回か会って行く内に治まるのかもしれないが、ルルーシュの精神的負担を考えると、まだ会わせない方がいいだろうと思ってな。……それに」
「それに?」
「あの二人に会わせることによって、ルルーシュの記憶になんらかの影響が出るかもしれない。そうなれば、あの子はもう、あんな表情で笑うこともなくなるだろう。…それは、嫌だ」
「………………」


美味しいオレンジを見極めようとじっくり吟味しているルルーシュに、リヴァルが笑いながら突進する。いきなりのことによろけたルルーシュをアーニャが支え、彼の手から零れたオレンジは咲世子がキャッチした。笑っているリヴァルに、危ないと注意しているアーニャ、キャッチしたオレンジをルルーシュに手渡している咲世子。ルルーシュはオレンジを受け取りながら、とても楽しそうに笑っている。
学園にいた時とも、親友といた時とも、最愛の妹といた時とも、そのどれとも違う。本当に純粋な、子供の笑顔だった。
ミレイの手に、力がこもる。


「……そう、ね。ナナリーとスザク君に黙ってるのはちょーっと気が引けるけど、でも、やっと手に入れた平穏だものね……」
「………そうだな」
「いっぱい大変だったんだし、ルルーシュにも、なーんにも考えない時間があったっていいわよね」
「…ああ」


優しく、母の様に微笑むC.C.。
オレンジを積み終わったのか、ルルーシュ達が駆け寄ってきた。


「C.C.! お待たせ。ミレイさんも」
「全くだ。だいぶ待ったぞ」
「待たされた分、おいしーいオレンジジュース、楽しみしてるわよ、ルルちゃん!」
「大丈夫…ルルーシュ君のオレンジジュース、いつでもおいしいから」
「はい、アーニャ様の言うとおりです。ルルーシュ様のお作りになるジュースは本当においしいですよ」
「まじでーっ! 早く飲みてぇ」


それぞれ口々に笑い合い、オレンジを持ってみんなで家に向かう。
その間も笑い声は絶えない。
ルルーシュも慣れてきた様で、楽しそうにリヴァルやミレイ、アーニャとしゃべっていた。そんな様子を、一歩後ろからC.C.と咲世子が眺める。


「…ルルーシュ様、ミレイ様とリヴァル様に慣れていらっしゃいましたね」
「みたいだな」
「慣れてない時はC.C.さんの傍から離れようとしませんでしたものね」
「あの時は常に服の裾を掴まれていたから、服が伸びて大変だったな」


しみじみと言う姿はまるで子を持つ母親の様と思った咲世子は笑う。
ふっと、少し先を歩いていたルルーシュが振り返った。


「C.C.、リヴァルが後でバイクに乗せてくれるって!」
「ほう、よかったな。ちゃんとヘルメットはかぶれよ」
「ふふ。C.C.さんったら、本当にルルーシュ様の母親みたいですよ」
「な! 咲世子さん! 俺は子供じゃないですよ!!」


顔を真っ赤にして言うルルーシュに、ミレイがにやにやと笑いながら絡む。


「あらあら、ルルちゃんはC.C.お母さんが大好きなのねー」
「み、ミレイさん!」
「最初の方はずーっとC.C.の傍を離れなかったしねー」
「そ、それは…っ」


真っ赤な顔であわあわと焦るルルーシュを見て、周りの皆は笑った。
笑っている皆を見て、ルルーシュはむうっと唇を尖らせる。そしてすたすたと先に行くと、一言。


「もうオレンジジュース作ってあげませんから! ミレイさん以外も!」


その言葉に、ミレイとリヴァルが笑いながら追いかける。


「あはは! ごめんごめんって! もう言わないからジュース作ってよー」
「そうそう、ジュース楽しみにしてたんだからさ! もう笑わないって!」
「まだ笑ってるだろ!」
「「ごめんってー」」


謝りながらルルーシュの後ろをついて行く二人。そんな二人の後ろをアーニャと咲世子が笑いながらついて行く。
彼らの姿を一番後ろで眺めながら、C.C.は微笑んだ。
平穏な時。今までのルルーシュの人生から考えると、平穏すぎるくらい。
でも、今まで常に戦ってきたルルーシュなんだから、こんな時だってあってもいいだろう。
なくした記憶と引き換えの平穏。
ルルーシュ自身がどちらを望んでいるかは、わからない。
でも、彼の傍で、彼の戦いを見てきた者としては、このままこの平穏が続けば良いと、そう思う。


「おいC.C.! 何してるんだ? おいて行くぞ!」
「…………………ああ、分かってるさ。ルルーシュ」


C.C.を呼ぶ、ルルーシュの声。
立ち止まっているC.C.を待つために立ち止まっている皆。
彼らに追いつくためにC.C.は駈けだした。

この、平穏な時に感謝しながら。










失ったのは、苦しみと悲しみと喜びと世界の平和を求めた心と
得たのは、安らぎと微笑みと休息と己の平和と
いずれ失ったものも見つかるだろう
でも、今はまだ、失ったままで…

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2009.12.19 | | Comments(0) | Trackback(0) | 短編小説

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