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真夜中の雲、真昼の月 -14-

とっっってもお久しぶりで申し訳ない真夜中真昼の14話です!!
ぐるぐるスザク君が真実を探してさまよってます(←)

それでは続きからどうぞー













○見えていなかった、いくつかのこと








あてもなく、スザクは宮殿内を歩いていた。
前回の出撃から、すでに三日は経っている。新しい出撃命令の出ていないスザクは、ふらふらと宮殿内を歩いて周っていた。あてもなく歩いていて、考えるのはやはり彼のこと。そして、ジノに言われた言葉のこと。

―――迷っているなら、揺れているなら、もう片方から見てみればいい。

スザクの足が止まった。


「……………もう、片方、から……」


スザクの表情が歪む。
誰に聞くべきなのだろう。誰が、自分の知りたいことを教えてくれるのだろう?
事情を知っていそうだったコーネリアに? しかし彼女は皇族だ。ラウンズの身分といえど、そう簡単に会うことはできない。
ならばカレンに? それこそ無理な話だ。
スザクの口から出るのは、溜息ばかり。
再び歩き出そうとした瞬間、スザクは振り返った。誰かの視線を感じたからだ。
勢い良く振り返った先にいたのは…。


「あら、スーさ……いえ、スザク様ではありませんか」
「…さ、よこ…さん………?」


一年前と変わらない、アッシュフォードのクラブハウスにいた時と同じメイド服を着た咲世子が、きょとんっとした表情でスザクを見ている。
首を傾げた咲世子がスザクに近寄った。良く見てみれば、彼女はその手に紙袋を抱えている。


「どうして、咲世子さんが、ここに……?」
「それは私の台詞なんですが………」


呆然と呟くスザクに対して、咲世子はくすっと笑った。


「この先の回廊を行きますと、アリエス宮につきます。私は今、そちらでナナリー様のお世話をさせていただいているんですよ」
「………ナナリー、の………じゃ、じゃあ、咲世子さんはルルーシュのこと……」
「はい、存じております。ルルーシュ様が皇子であることも、ゼロであることも」


なんの迷いもなく頷く咲世子。咲世子は微笑んでいた表情を少し曇らせた。


「私はナナリー様の護衛を任されております。ですので、スザク様がどうしてこの様なところにいるのか、お聞かせ願いたいのですが……」
「………ぼ、僕は……その………」


思いが、考えがスザクの脳裏を渦巻く。


「その………僕は、ルルーシュの、こと……ブリタニア側からじゃなくて、そっち…ルルーシュの側から見た、彼のやってきたことを、知りたいって、思って……それで……………でも、誰に聞いたら、良いのか…」
「……あら」
「……咲世子さんは、知ってますか…? ルルーシュが、どんな思いでゼロをやっていたのか……ユフィを、殺したのか…」
「……………………」


咲世子は黙ったまま、スザクをじっと見つめる。その視線に、スザクは少し居心地が悪い様な気がして身じろいだ。
しばらくの沈黙の後、咲世子は紙袋を持っていない方の手で、スザクの手を引いた。


「さ、咲世子さん…!?」
「私よりも、ルルーシュ様の行ってきたことをよくご存知な方がいらっしゃいます」


咲世子に手を引かれるまま、スザクは歩く。…アリエスの方角へ。


「…本当なら、スザク様をアリエスにお連れすることはいけないことでしょう。ですが、今のスザク様ならまだ大丈夫だと、私には感じられました。…まあ、話してくださるのかは別としまして…」


咲世子は、ここで会ったのが私で良かった、と、にっこりと笑う。


「ですので、……特別ですよ?」


そして、スザクはアリエス宮に足を踏み入れたのだ。






通されたのは、アリエス宮の中で一番広い客間だ。
ここへスザクを連れてきた咲世子は、少し待っている様に告げて、どこかへ行ってしまった。
どこか居心地の悪い様な気分で、スザクはソファーに腰掛けている。目の前に出された茶器にも手をつけずに、ただ、じっと待っていた。
しばらくすると、扉を隔てた廊下から、車椅子の音。その音に、スザクは思わず立ち上がった。


「……っ」


立ち上がったもののどうしようか悩んでいると、車椅子の音が扉の前で止まった。そして、扉がそっと開かれる。


「…………えっと、お客様、ですか?」
「……な、ナナリー……」
「え、スザクさん? スザクさんなんですか!」


思わず声を上げたスザクに、ナナリーは嬉しそうに手を合わせた。
にっこりと笑って、部屋に入ってくる。


「お久しぶりです、スザクさん。ラウンズへの就任、おめでとうございます」
「あ、その、あ、ありがとう……」


笑顔で言われた言葉に、スザクは動揺する。彼女は何も知らないのか? 己がラウンズに入れたのは、ゼロを…彼女の兄を売ったおかげなのだと言うことを。


「お兄様にはお会いになりましたか? 今はここにはいらっしゃらないのですが、本殿の方で働いているんですよ」
「そう、なんだ……」


ルルーシュはナナリーに状況の説明をしていないのか? スザクは何を話して良いのか迷う。


「えと、その……しばらく見ない間に、綺麗に…大人っぽく、なったね、ナナリー」
「うふふ、お世辞でも嬉しいです。大人っぽく見えるのは、きっとドレスのせいだと思いますけど」
「いや、その…、そ、装飾品とか、つけてるところあまり見たことなかったし、今つけてるチョーカーも、似合ってるよ」


そう、スザクが言った瞬間、ナナリーの表情が困った様な笑みに変わった。


「………ナナリー?」
「あ、すみません。えっと、このチョーカーは……その……起爆装置付、なんです」
「……え………?」


目を見開いたスザクに対して、ナナリーは少しだけ苦笑する。


「お兄様や、他の…例えば咲世子さん達が、私のことをこのアリエス以外に無許可で連れ出した場合、このチョーカーに設置されている起爆装置が作動する様になってるんです」
「…そんな………」
「お兄様を、逃がさないための人質が、私なんです。……私がいるから、お兄様はいつも大変なお仕事ばかり……」


ナナリーの表情が沈む。


「何も、話してはくださらないんです。いつも大丈夫だからって、そればかりで。…でも、お兄様の声は、いつも苦しそうで………」
「……………」
「いつも、お兄様は私のことばかりで……ご自分のことなんて二の次で……。私は、お兄様が一番大切なのに……もっとお兄様自身のことを考えてほしいのに……。私が、ここにいるせいで、お兄様は……」


ぎゅっと握られた手のひら。俯くナナリーに、スザクは手を伸ばしかけたが、その手は宙で止まる。自分には、彼女を慰める資格なんて、ない。だって、彼女の悲しみの原因は、ルルーシュを、ナナリーを売ったのは………僕じゃないか……。


「……………………ごめん」
「スザクさんが謝ることでは……」
「…違うんだ。……ごめん。ごめん、ナナリー…」
「スザクさん……?」
「……ごめん」


あの時、あの一年前の神根島の時。ルルーシュのことが、確かに憎かった。ユフィを殺した、ゼロであるルルーシュが。
でも、ナナリーは助けると言ったのに。あの場で、そう宣言したのに。なのに…。
蹲り、謝罪を繰り返すスザクに、ナナリーは戸惑いつつも、そっと手を伸ばす。彼女の小さな手が、スザクの頭を撫でた。その感触に、スザクはより一層胸が痛くなった。


「…後悔にはまだ早いぞ、枢木スザク」
「……………き、みは…?」
「C.C.さん?」


いきなりの第三者の声に、スザクが顔を上げる。扉にもたれていたのは、緑の髪が印象的な少女。名前を呼んだナナリーに、C.C.は微笑みかけた。


「ナナリー。私はそこの奴と少し話がある。出て、もらえるか?」
「…はい、わかりました。…えっと、C.C.さん」
「なんだ?」
「あまりスザクさんのこと、いじめないでくださいね?」
「おや、心外だな。私はそんなに意地悪に見えるか?」


くすくすと笑いながら言うC.C.に、ナナリーは苦笑して答える。


「C.C.さんは、私やお兄様、あとアリエスの人以外にはいつも厳しいですから…」
「ふふ…一応考慮はしよう。…咲世子、ナナリーを頼む」
「はい、分かりました」


咲世子に車椅子を押されて、ナナリーが部屋を出る。二人が部屋を出た後、C.C.は部屋の扉をばたんっと閉めて、スザクを見下ろした。


「……それで? 枢木スザクがこのアリエス宮になんの用だ?」
「…………君が、咲世子さんの言っていた、ルルーシュの行ってきたことをよく知る人物、なのか?」
「いかにも。私はあいつと将来を誓い合った仲だからな」


からかう様な口調で笑うC.C.。彼女はソファーに腰を下ろすと、今までの笑みを一変させ、スザクを睨みつけた。


「さて、枢木スザク。お前が求めるのはなんだ?」
「…………ルルーシュが、何を思って、ゼロとして活動してきたのか………どうして、ユフィを、殺したのか………その、真実が知りたい」
「それらを聞いて、お前はどうする? どうしたいんだ?」
「…………わからない……」


スザクの答えに、C.C.は鼻で嗤う。


「情けない奴だな。そんな覚悟で、あいつの真実を知ろうなんて、無茶なことだ」
「…それでも……っ!」


スザクの表情が歪む。


「片方だけ知って、全てを知らずにいることは、真実を知った、とは言えないから…」
「………ふむ」


C.C.はにやりと笑って、足を組み直す。


「自分の考えだけで全て知ったと思込む枢木スザクにしては、大きな進歩だな。………わかった。ルルーシュの真実を教えてやろう」
「……っ!」


C.C.の指が、スザクの鼻先をかすめる。そして、C.C.は微笑んだ。


「憎しみがますかもしれない。後悔がお前を襲うかもしれない。どうなるかは、私にもわからない。…それでも、聞きたいか?」
「………聞かせて、くれ………っ」


C.C.が微笑む。
そして、彼女の口から、ルルーシュの真実が語られる。
それは、スザクにとって、思いもよらないことばかりだった。










今まで見ようとしなかったもの
今まで知ろうとしなかったもの
それら、全てを教えてやろう
全てを見た後
全てを知った後
お前の胸に残るのは、一体どんな気持ちなのだろうな?

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2009.06.25 | | Comments(0) | Trackback(0) | 捏造・長編/真夜中の雲、真昼の月

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