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おめでとう!

スザクの誕生日を祝ってみました☆
スザルルナナです。下からどうぞ






貴方に最初に伝えたい










シミュレーションを終えて昼食を取ろうとすると、上司がにやにやと笑いながら近寄って来た。
あの笑い方の場合、これまでの経験から良いことはなさそうだ。スザクは肩を落とした。


「………ロイドさん、どうかしたんですか?」
「ん~? 枢木准尉も隅に置けないなぁ~って思ってねぇ」
「は?」


疑問付を浮かべるスザクの目の前に、ばっと白い紙が差し出される。
白い封筒。手紙の様だ。
はいと言って手渡された。少し、戸惑う。


「えっと、自分に、ですか?」
「そ~う。さっき他の研究員が外から帰って来たんだけどね~その時に頼まれたんだって! 君にってさ!」
「はあ………」


誰だろう、手紙なんて。
封筒を確かめてみるが、どこにも名前は書いていない。


「あ、大丈夫~開けてないよ」
「い、いえ、そういうつもりでは………」
「枢木准尉ってばあんがいとやるねぇ~。ユーフェミア皇女殿下が嫉妬するよぉ~」
「は…? 何故そこで皇女殿下の名前が………?」
「だあぁって! そ・れ、ラブレターなんでしょ~? 良いねえ、イレブンで言うところの青い春ってやつかい?」
「え、ええっ!!」


驚いて目を丸くしながら、スザクは手の中の手紙を見る。
ロイドは、それをにやにやしながら見ていた。からかう気満々といった様子だ。


「その受け取った研究員の話によるとねぇ、すごい美人さんだったみたいだよ~黒髪で眼鏡かけてたってさ~」
「黒髪……で眼鏡、ですか……?」
「お? 心当たりでもあるの~??」
「い、いえ……特には……」


黒髪美人、といった所で一瞬ルルーシュかと思ったが、彼は眼鏡をかけていなかったはずだから、頭の中から消去する。だいたい、軍人嫌いブリタニア嫌いの彼が、いくら大学に間借りしているからといって、こんなところに来るはずがない。


「枢木准尉! 早く開けてみてよ~」
「………ちょっとロイドさん? まさか一緒にスザク君の手紙見る気なんじゃないですよね?」


いつの間にかロイドの背後に回っていたセシルが、にっこりと微笑みながら尋ねる。
ロイドは、その微笑みの裏にあるものに気付かず笑った。


「え? だぁ~って! 上司には検閲の権利があるでしょ~?? …………あ、うそうそ! 今のはじょ~だん! 冗談だからその拳はしまってしまって………あはははは~」
「うふふふ。お昼、向こうに用意しましたからね、ロイドさん」
「………………はいぃ」


ロイドはセシルに逆らわずに、すごすごと休憩室に入って行った。
上司を笑顔で見送ったセシルは、それまでの笑顔から一転、弟を見るような笑顔で微笑む。


「邪魔者は退散するから、ごゆっくりね、スザク君」
「じ、邪魔だなんて……」
「いいからいいから!」


にっこりと笑うと、セシルも休憩室に入ってしまう。
後には、スザクとランスロットと問題の手紙だけ。
スザクは少し躊躇したが、慎重に手で封を切っていく。
切り終わって、中から出てきたのは一枚のカード。


「………え?」


そのカードに書かれた文字を見て、一瞬固まる。
そこには、ブリタニア語ではない言語で言葉が書かれていた。
まったく読めないから驚いたのではなく、むしろ逆。


「に、ほんご……?」


そこには、エリア11となったここ、日本の文字で、

『仕事が終わったら何時だろうが必ず家まで来い』

と、だけ書かれていた。
スザクはきょとんっと首をかしげた。
自分の今会うことのできる知り合いで、相手の家を知っていて、日本語が書けて、黒髪な人物といったら、スザクにはたった一人しか思い浮かばない。


「………………………ルルーシュ?」


そう。さっき頭の中で消去したばかりの彼の人だった。








スザクは上司二人に礼をすると、一旦与えられた部屋に戻るために走り出した。
時刻はもう深夜。あと二十分程で日付が変わろうとする頃。
手紙には、何時になっても必ずと書かれていたから、一応行ってみるつもりだが、我ながら非常識な時間だとは思う。
ならばそのまま行けばいいとは思うものの、さすがにパイロットスーツでは彼らの元へ行くことはできない。ただの技術部所属だと言ってあるからだ。嘘を付くことはいけないことだけど、彼らを悲しませたくはないから。
部屋に入ると、パイロットスーツを脱ぎ捨て、手近にあったTシャツとジーパンを着る。
そして再び走り出した。
スザクの部屋のある大学部からクラブハウスまでは、歩いて十分。スザクは、持てる力の全力を使って走った。
生垣を飛び越えて、一直線にクラブハウスを目指す。
クラブハウスの彼らのリビングがあるところの電気がまだ光々とついていた。それを見ていっそう走るスピードが上がる。


「っは! つ、着いた……」


珍しく息を弾ませながら、スザクは玄関の横のベルに手を伸ばす。と、そこで固まった。
リビングの明かりはついていたものの、こんな時間なのだからナナリーはもう寝ているのではないだろうか。ベルを鳴らすことによって、彼女を起こしてしまわないだろうか。
スザクがぐるぐると考えていると、扉が中から開かれた。そこには、呆れ顔のルルーシュ。


「……お前、玄関の前で何やってるんだ?」
「え、いや、その……」


しどろもどろのスザクを、ルルーシュはくすりと笑う。


「ま、だいたい分かるけどな。……ほら、いつまでそこにいるんだ?入れよ」
「あ、うん。お邪魔します……」


スザクを入れると、ルルーシュはさっさと歩き出した。スザクもそれについていく。


「こんな時間に、ごめんね?」
「いや良いさ。何時でもって書いたのは俺だしな。……それにしても、よく俺だって気付けたな?」
「え?」
「軍だし、検閲とかあるかと思って名前、書けなかったからさ」


ルルーシュは苦笑しながら左目を隠すように前髪をかき上げる。
スザクはにっこり笑った。


「分かるよ。だって日本語だったし。そんな手紙くれるのはルルーシュだけだよ」
「本当は日本語にするかどうかも迷ったんだ。…あんまり、軍に対して良くないだろ。でも他に考えつかなかったしな」


少し言いにくそうにルルーシュは話す。
ブリタニアの国是によって、支配エリアの文化はそのほとんどが排除されるから、ブリタニアの軍に日本語の手紙を見られたらスザクが迷惑すると思ってくれたのだろう。


「偽名とかも考えた」
「偽名?」
「アーサーとかな。これだと生徒会室の方の用事と間違われるかと思ってな」


ふふふ、と二人で笑い合う。
ルルーシュはリビングの扉を開けた。そこには……。


「スザクさん、おかえりなさい」
「……ナナリー? え、もう寝てる時間じゃ……」


ナナリーはくすりと笑った。


「まあ待て。あと少しだ」
「へ??」
「お兄様、カウントダウンして下さい」
「ああ。………………残り二十秒…十九…」


疑問付を頭に浮かべているスザクを、ルルーシュは腕時計を見ていない方の手で掴んで、ナナリーの隣の椅子に座らせた。
ナナリーがスザクの手を握る。


「………五……四……三…」


ルルーシュの手も二人の上に重なった。
日付が、変わる。


「……………………誕生日おめでとう、スザク」
「お誕生日、おめでとうごさいます。スザクさん」
「へ、え、ええっ!?」


暖かい笑顔を向けてくる兄妹に、スザクは頭が混乱した様に感じた。
そんな様子のスザクを見て、ルルーシュは苦笑する。


「おいおい。今日は十日だぞ? お前の誕生日だろうが」
「あ………………え、覚えててくれたの!? だって教えたの七年も前だよ!?」
「七年しか、なんだろ?」


ルルーシュはくすくすと笑った。
覚えていてくれたんだ。スザクは目頭が熱くなるのを感じる。彼らと再開してから、涙腺が弱くなった気が………。


「お兄様にお願いしたんです。誰より一番にお祝いしたいって。そうしたら、お昼寝をするっていう条件で、夜更かししても良いって! なのでお昼にいっぱい眠ったんですよ!」
「ちなみに俺からの誕生日プレゼントは明日の朝御飯+昼の弁当。もちろん日本食だからな? と、言う訳で今日は泊まっていけ。軍務はもう終わったんだろ?」
「ルルーシュ………」
「私からは、これです。咲世子さんに教えてもらって作った、えと、根付け…って言うんですよね。簡単な物しか、作れなかったんですけど…」
「ナナリー………」


ナナリーから根付けを受け取って、ぎゅっと胸元で握り締める。
ぽたり、ぽたりと涙がこぼれてきた。優しい兄妹は、自分の手をそっとスザクの頬に寄せて包み込む。
手から体温を感じる。人の気持ちを和らげる暖かさ。
よくよく考えてみると、この七年間、誕生日を祝ってもらったことなど、なかった。随分と久しぶりな言葉の数々。スザクは子供の頃に戻ったかのように泣き出した。


「ありが、とう……ありがとうっ」
「バカ。そんなに泣く奴があるか」
「ふふ。喜んでもらえましたか?」
「うん…っ。すごく、すごく嬉しい」


よかった、と微笑む彼女が。ほっ、と安堵したように息を吐く彼が。彼ら二人が自分を思っていてくれたことが、とても嬉しい。
スザクは二人を抱き寄せた。
彼女は笑ってスザクを抱き締め返す。彼は苦笑してスザクの頭を撫でる。
とてもとても幸せな時間。この時間が、ずっと続けば良いのにと、本気で思うほど。


「生まれてきてくれて、ありがとう。スザク」
「来年も、一緒にお祝いしましょうね? また一番におめでとうって言わせてください、スザクさん」


この優しくて暖かい二人を、手放したくない。悲しませたくない。死なせたくない。守りたい。
今辿っている道は、彼らを悲しませるだろうけど。
スザクは抱き締める手に力を込めた。
痛いと笑う二人。
ああどうか、今はこの時間がずっと続きますように。


「ありがとう。ありがとう、ルルーシュ、ナナリー」


スザクは涙でぐしゃぐしゃになった顔で、心から微笑んだ。










ほら、早く食べろ 弁当はこっちな
………うわぁ、すごい! すごいよルルーシュ、すっごく美味しい!!
ふん、当たり前だ
この卵焼きなんて最高……っ! ああもうっルルーシュ結婚してっ!!
ふふふ ダメですよ、スザクさん お兄様は渡しません


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2007.07.10 | | Comments(0) | Trackback(0) | 短編小説

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