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真夜中の雲、真昼の月 -9-

お待たせしましたーラウンズパロ9話です!!
パソコンもなんとか直った(?)のでもそもそと進めていきたいです……こ、コメントも返さなきゃ…っ

とりあえず、スザクの矛盾思考はフィーリングで感じ取っていただくことにして…(←)
それでは続きからどうぞー











○私は、生きている。








救護室前の廊下で、スザクは通信機に話しかける。相手はジノ。


「…と、言う訳なんだ。頼めるかい?」
『分かった。シュナイゼル殿下への報告は私だけでも大丈夫だ。スザクはゼロに付いててやれよ』
「………ああ、分かった」
『お大事にって伝えてくれ。まあ、私もあとで様子見に行くけどな』


通信が切れる。スザクは通信機を懐に戻すと救護室に入った。
白い壁。独特の臭い。遮られているカーテンを引くと、そこにはベッドに横たわっているゼロ…ルルーシュ。
看護師によって点滴を付けられたルルーシュは、相変わらず青い顔だ。スザクはカーテンを閉めると、ベッドの脇にある椅子に座った。
彼の様子をそっと窺う。点滴を付けた腕の細さと白さが痛々しい。
救護室の医師によると、ルルーシュは栄養失調による貧血だそうだ。
スザクはしばし彼の顔をじっと見た。ジノから、彼についていろと言われたから、ここにいるのだ、と頭の中で繰り返す。ジノにそう言われた時、ほっと安堵した気持ちがスザクの胸中を過った。彼の様子を見ていたい自分に言い訳ができる。そう、思ったから。
ルルーシュの寝顔を眺めながら、スザクは唇を噛む。
今、彼はスザクの前で無防備にしている。手を伸ばして、その白く細い首筋に回すだけで、彼を殺すことができる。もしくは、目の前で上下する彼の胸にナイフを突き刺せば、彼はきっとこのまま目覚めない。
ゼロに殺されたユーフェミアの騎士ならば、この好機を使って彼を亡き者にすべきなのだろう。なのに、スザクの手は、動かない。
どうしてだろう? 一年前だって、そうだ。
あの洞窟でゼロを捕らえた時、仇だと思っているなら、なぜあの場で殺さなかった?
ゼロが…ルルーシュが処刑されたと聞いて、自分で殺したかったと思ったのに。殺したいと思っているなら、あの洞窟での時が一番の好機だったのに。
彼が生きていると知った時の、あの安堵はなんだ? 今度こそ自分の手で殺せると思ったからか。それとも。


「………………僕は、矛盾だらけだ」


スザクはため息をつく。
今だってそうだ。殺したいほど憎い相手なのに、どうして救護室まで連れてきたのだろう? どうして、心配、しているのだろう?
ぐるぐると思考の世界にはまり込んだスザクの耳に、ルルーシュの呻く声が聞こえる。
起きたのかと身を固くしたが、そうではなく、魘されている様だ。


「………………………う……あ……」
「……ルルーシュ?」


眉を寄せて、苦悶の表情を浮かべるルルーシュ。少し汗もかいている。
スザクはその様子を見て、医師を呼んでこようと腰を浮かせ掛けた。
その時、固く閉じられていたルルーシュの瞳が、少しだけ開く。焦点があっていない様なので、まだ完全に起きた訳ではなさそうだ。
眉を寄せたまま視線を泳がせたルルーシュの瞳は、すぐ脇にいるスザクの姿を捕らえた。


「…………す、ざく………?」
「………っ!!」


久々に呼ばれる名前。その優しい声に、スザクは頬を紅潮させて目を見開いた。
寝ぼけているのか? いや、それ以外でルルーシュがスザクの名前を呼ぶことなんてもう、ないだろう。
スザクは、ちくんっと痛んだ胸の奥の痛みをなんとか無視する。
寝ぼけているルルーシュは、そんなスザクをもう一度呼んだ。


「………………す、ざ……?」
「……………なんだい、ルルーシュ」


自分でも意外な程、優しい声が出た。
ルルーシュが、なぜか泣きそうに顔を歪める。


「……………め、ん」
「………え?」
「……………ご、めん」


ルルーシュはただ、謝るばかり。
スザクが混乱していると、ルルーシュは謝るのを突然止めて、手を宙に伸ばそうとする。その手が点滴を施されている方だと気付いたスザクは、慌ててルルーシュの手を掴んで押えた。


「ルルーシュ! 駄目だ、危ない」
「………ゆ、ふぃが………」


ルルーシュの口から出たユーフェミアの名前に、スザクの表情が強張る。


「………ち、で…………俺の、せいで………ゆふぃが…………ごめ………」


ルルーシュの少しだけ開いた瞳から、雫が零れおちる。ルルーシュが泣くのを見るのは、初めてではないか。それも、彼は今ユーフェミアのことを想って泣いているのか? スザクは固まって動かない体の代わりに、呆然と思った。
手の代わりに宙を彷徨っていたルルーシュの視線が、再び、スザクへと戻される。


「…………なあ……」
「……………」
「……おれ、って、生きてる、よな?」
「……………え」
「生きて…………生きてる………俺は、生きて、る」


ぶつぶつと繰り返すルルーシュ。その瞳が、焦点の合っていないものから、だんだんと正気のものへと変化する。
その様子を見て、スザクはとっさに、押さえていたルルーシュの手から己の手を離した。
数回瞬きをしたルルーシュは、完全に起きていた。少し混乱しているらしく、眉を寄せている。
確認のために、スザクは彼に問いかけた。


「……………起きたのか?」
「っ!! セブン!?」


スザクが横に座っていることを確認したルルーシュは驚愕と警戒の表情。
スザクはラウンズのナンバーで呼ばれたことに少し眉を寄せる。
混乱している様子のルルーシュに、一通りの説明を行った。


「ここはアヴァロンの救護室だ。…お前が、目の前で倒れたから、連れてきた。報告はジノが行ってくれた」
「…………………そうか。……迷惑を、かけた」
「…………いや」


スザクは勢い良く椅子から立ち上がるとカーテンを開けて、そのまま部屋から出て行く。ルルーシュが何か言おうとした様だったが、背を向けていたスザクは気付かなかった。
救護室から出て、廊下でスザクは壁を背にしてもたれ込む。
どう言う、ことなのだろう。彼は何を、何に対してあんなに謝っていたのだろう。何に対して、涙を流したのだろう。
それに、ユーフェミアのこと。俺のせいとは? 彼女のことは、過去だと言ったではないか。それなのに、夢に見るほど、気にしているのか? それとも偶然、なのか?
考え出すと、切りがない。スザクは眉を寄せて片手で顔を覆った。
と、そこへばたばたと響く足音。
スザクが顔を上げると。赤い髪を乱して走ってくるカレンの姿。
彼女はスザクのことに気が付くと、足を止めた。そして、唇を噛んでスザクを睨みつける。


「……………ジノ、から教えてもらったの。貴方が、彼を運んでくれたって。だから、一応感謝はするわ」


不機嫌そうに言い放つカレンに、スザクは眉を顰める。そんなに自分が彼を助けたことが気に入らないなら、彼の傍を離れなければ良いのに。


「……護衛のくせに、職務怠慢じゃないのか?」
「……………何も知らないくせに」
「何を知らないって言うんだ。護衛なんだから、KMFの整備は事前にしておけば良いだろう?」
「………………そう。KMFの整備、ね。そう言うことになった訳?」


カレンの言葉に、スザクは眉を顰める。そう言うこと?
カレンが泣き出しそうに顔を歪めた。


「KMFはいつだって完璧に準備してあるわよ。当然でしょ? 彼を守るって、絶対守るって決めたんだから!!」
「……だったら」
「だけど今回の出撃を知らされてなかったのよ!!」
「知らされてない…って」


カレンはぎっとスザクを睨みつける。


「彼の伝達ミスじゃないわ! ……今日、出撃なんて予定にはなかったっ…………彼がいないって気付いて、探したわ。そしたら、シュナイゼルに、連れてかれたって」


俯いてしまったカレン。その声が震えている。


「専用機が、やっとできたから、ゼロの実力を見るためだろうって、言われて、私、すぐにこっちに向かったわ。だって、彼のKMF技術、知ってるでしょ? 1年前だって、何機も壊して、私、ひやひやしてたんだもの……それなのに、戦場へ? 私もつけずに? シュナイゼルなら、実力を見るために彼一機で戦わせるかもしれないって聞いて、不安で………」
「……………カレン」
「守れなかったらどうしようって、私の知らないところで、彼が怪我をしてたらどうしようって、し、死んじゃったらどうしようって、そればっかり頭にあって、倒れたって、聞いて……っ」


カレンは歯を食いしばる。スザクの前では、泣きたくなかった。弱音を吐きたくなかった。
ずっと、我慢してきたのだ。誰にも言わずに耐えてきたのだ。だって自分なんかより、ルルーシュの方が、何倍も、何十倍も辛いのだから。
でも、止まらない。言葉も、涙も。よりによって、この男の前で。そう思うけど、一度出た言葉は止められなかった。


「…彼は、本音を言ってくれないし、弱音だって、何も、言わないっ。私とか、ナナちゃんとか、C.C.とかのことばっかり気にして、自分のことなんて考えないから、だから心配してるのに、本当のこと言わないで、嘘ばっか吐いて、心配しない様にして……っ」
「………」
「心配も、させてくれないなんて、優しくない……優しいけど、優しくなんて、ない…っ守りたいのに、守るって約束したのに、守らしてももらえないなんて、そんなの、護衛の意味、ないじゃない………っ」


ぽろぽろと泣き出したカレン。スザクは黙ったまま。
胸の中に溜まっていた気持ちが、流れ出て止まらないのだろう。スザクに対して、と言うよりは、独白の様なものになっていた。
カレンの言葉を聞いていて、スザクはふと思う。
そう、彼は嘘吐きなのだ。酷い嘘だってある。だけど、彼の吐く嘘には、優しい嘘もあった。誰かのためを思った嘘。
それに、ルルーシュは自分の本音を他人にあまり言わない。真実だって、何だって、自分の中で留めておくことばかりだ。
彼の言うことは、全て真実とは限らない。
ああ、ならば。
どれが真実なのだろう?
自分は彼のどの言葉を信じれば良いのだろう?
先ほどの言葉は?
一年前の言葉は?
考えても、わからない。
だって、それは、彼にしか分からないから。










彼は嘘を吐く
酷い嘘
悲しい嘘
優しい嘘
甘い嘘
周りを騙すために
周りを安心させるために

彼は今日も嘘を吐く

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2008.11.27 | | Comments(2) | Trackback(0) | 捏造・長編/真夜中の雲、真昼の月

コメント

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2008-11-28 金 04:35:12 | | # [ 編集]

コメントありがとうございます!

>Sign様
ルーシュの不器用な優しさは、彼を守りたいと思っている者にとっては苦しいと思います。。。頭は良いのに、そう言うのには疎いから…
今回のお話で、私初の黒シュナイゼルなんですよーww黒く書けてますか??(←)なにも考えずに書くと、なにやらルルーシュに甘い優しいお兄ちゃんになってしまうので、結構気をつかってます(笑)
コメント、ありがとうございました!!


2008-12-13 土 01:44:29 | URL | あず #- [ 編集]

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