スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

--.--.-- | | スポンサー広告

真夜中の雲、真昼の月 -6-

久々のラウンズパロです
このお話はスザクがぐるぐるしてるのがコンセプトです(笑)

コメント等のレスはもう少しお待ちくださるとうれしいです^^;

それでは、続きからどうぞー










○表では泣いて、裏では笑って。








ジノとアーニャは嫌がるスザクを半ば引きずって、ゼロの部屋を目指す。
彼らの手には、ノネットから教えてもらった胃に優しい食材…が入った紙袋。
ゼロを誘って、宮廷の料理人に何か消化に良い料理を作ってもらおうと言う考えだ。これを思いついたのはノネットなのだが、肝心の彼女は食材を集め終わった時に任務を言い渡されたため今回は不参加になってしまった。


「これだけ色々と集めたんだから、ゼロの好きな食べ物だって入ってるよな!」
「私の好きな食べ物も入れておいた」
「マジで! アーニャの好きな食べ物とゼロの好きな食べ物が一緒だったら良いな!!」
「でも、そうだったら取り合いになる」
「あーそれもそうだなぁ……じゃあその食べ物を一杯用意すれば良いんじゃん!! な、スザク!!」
「どうでも良いけど、離してくれないか」


笑顔で自分を振り向いたジノを、スザクは睨みつけた。
今スザクはジノに襟首を掴まれ、引きずられている。足を拘束するほどの徹底ぶりだ。
スザクが本気で抵抗すれば、この程度の拘束すぐにでも逃れられる。しかしそれをしないのは、スザクなりにジノのことを許しているのか、これからジノ達が向う場所にあるのか。


「えーだって離したらスザク逃げるだろ??」
「当たり前だ。ゼロの部屋になんか、絶対行かないからな!」


本気で行きたくないのなら、今すぐにでも拘束を解けば良いのに。
照れているんだな、と自己完結したジノはにやりとスザクを見た。


「スザクも素直じゃないなぁ。心配なら別に良いじゃん」
「しっ、心配なんてしてないっっ!!!!」
「……着いた。ここがゼロの部屋」


少し先を歩いていたアーニャが立ち止まる。ジノも歩みを止めて、スザクの拘束を解いて解放する。
解放されたと同時にスザクは今まで来た方向に戻ろうとしたが、寸でのところでジノに腕を取られた。


「ジノ!!!!」
「ここまで来たんだからさ!」


スザクとジノが言い合っている内に、アーニャは部屋をノックする。


「ゼロ、いる? ちょっと用事があるの」
『…扉は開いています。どうぞお入りください』


扉の向こうからは、想像していたアルトではなく、女性の声。
自分を捕まえるジノをなんとかしようとしていたスザクの動きが止まる。


「…………カレン……?」


スザクが呟く。
アーニャは扉を開いた。その先にいたのは、漆黒の髪を持つゼロではなく、焔の髪を持つ少女…カレンだけだった。


「あっれー?? ゼロは??」
「………ゼロに、どのような用件でしょうか?」


カレンの視線は切れる様に鋭い。その鋭い視線は、主にジノに連れられて部屋に入ってきたスザクに向けられていた。当のスザクは機嫌が悪い様な表情でカレンから目を逸らす。


「いや、昨日ちょっと調子が悪そうだったからさ」
「胃に優しい食材、持ってきたの」
「発案はノネットさんなんだけど、コックに料理作ってもらってみんなで食べようってさ。あ、もちろん君も」


笑顔で言うジノに、カレンは幾分か態度を柔らかくする。


「お心遣いは嬉しいのですが…」
「あーストップストップ!! 私達は同い年くらいだろう? 敬語はなし!! 友達は敬語を使わないんだ」


ジノの言葉にカレンはしばし言葉を失った。同じラウンズの枢木スザクならともかく、ハーフとは言え、ただの護衛でしかないカレンに対して友達とは。カレンは少し苦笑した。


「……………気持ちは嬉しいんだけど、ゼロはきっと食べられないわ」


敬語をやめて普段の調子で話すカレンにジノはにっこりと笑ったが、その内容に首を傾げた。


「別に今すぐじゃないといけないことでもないし、ゼロの時間が空くまで待つよ? なあ」
「食事はみんなで食べた方が美味しい」
「…そうじゃないの」


ああ、自分は余計なことを口にしている。ゼロに…ルルーシュに怒られる。…でも、彼らがいきなり仲間になった彼のことを気にかけてくれているから。それにカレンは苦しかったのだ。この1年間、彼が味わってきた苦しみを、目の前の男…枢木スザクが知らない、と言うことが。
カレンは少し悲しそうに笑った。


「ゼロは、あと3日くらいは何も食べられないわ。いつものことだから、心配しないで」
「……何も食べないの?」
「水と点滴ぐらいかしら。3日以上たったら普通に食べる様になるから。それでも食は細いけどね」
「……………どうしてだ?」


カレンの言葉に、今まで黙っていたスザクが問う。カレンは苦々しい表情をスザクに向けた。


「…どうして? どうしてってあんたが聞くの? あんたに、皇帝のところに連れてかれて、ナナちゃん人質にされて、ゼロが、どんな仕事をやらされてたと思う?」
「カレン?」
「……………」


ジノとアーニャが怪訝な表情でカレンを見るが、一度出てしまった言葉はもう止められない。


「皇帝から、シュナイゼルから、他の皇族から、ゼロに回ってくるのは汚い仕事ばかり!! いろんなエリアを飛び回って、暗殺や拷問やそんな誰もしたくない様な仕事をいっつもやらされて!! ゼロは1年前よりもこの1年間の方がずっと人を殺してるわ!! それも老若男女問わず!! 枢木スザク、これがあんたの言う正義なの!!?」
「っ!!!!」


涙を浮かべながら言い捨てたカレンの言葉に、スザクは目を見開いた。そんな…そんなことがあるはずが……。


「………ゼロは、任務があった後はしばらく何も食べられなくなるの。食べても必ず吐いてしまうわ」


言いたいことを言ったせいか、幾分か落ち着いた様子でカレンはため息をこぼす。そして何のことかわかっていないジノとアーニャにほほ笑んだ。


「だから、今ゼロは何も食べられないの。でも、あなた達がゼロのことを考えてくれたことには感謝します。きっと、ゼロも喜ぶと思うわ。だから、ゼロの体調が良くなったら、改めて食事会を開いてくれるかしら?」
「え、ああ。それはもちろん」
「…約束する」
「………ありがとう」


カレンは頷いたジノとアーニャに笑いかけた。
そのまま、ジノとアーニャは雰囲気を察してか部屋から出ようとする。しかし、スザクだけはその場に固まったままだ。
ジノは眉を寄せながら同僚の肩を叩く。


「おい、スザク」
「……………あ、ああ」


ジノに促されながら、スザクも部屋を出ようとする。しかし、扉を閉める手が少し止まった。
スザクはこちらに背を向けているカレンに問う。


「…………ル……彼は、今どこに…」
「…それを聞いてどうする訳?」
「……わからない」


スザクには本当にわからなかった。どうして、自分は彼の居場所なんて気にするのだろう。別に彼に会いたい訳じゃない。むしろ彼には会いたくなかった。ならば……。


「…………彼は、今ナナちゃんのところにいるわ」


その答えを聞いて、スザクは心底ほっとした。良かった、彼はひとりじゃなかった。そう、考えてから、スザクは表情を歪ませて唇を噛んだ。
今度こそ、扉が完全に閉じられる。
スザクが扉から離れると、ジノとアーニャは少し前を歩いていた。


「よし、じゃあこの食材は腐らないように私達で食べてしまうことにするか!」
「ゼロが食べられる様になったら、もっともっと買えば良い」
「そうそう! 今度はカレンに聞いて、ゼロの好きな食べ物も揃えような」


スザクは心底感謝した。
ジノとアーニャが何も聞いてこないことに。
ジノとアーニャが前を歩いてくれていることに。
説明しろと言われても、どうしようもない。
スザク自身も、自分の頬に流れる涙の理由がわからないのだから。










その涙は悔恨?
その涙は後悔?
その涙は懺悔?
その涙は苦しみ?
その涙は……

答えを知るのは彼自身のみ
でも、彼自身にもまだわからない



スポンサーサイト

2008.10.22 | | Comments(0) | Trackback(0) | 捏造・長編/真夜中の雲、真昼の月

コメント

コメントの投稿


秘密にする

«  | HOME |  »

プロフィール

あず

Author:あず
ここは、管理人あずによる期間限定女性向け非公式ブログサイトです 公式とは一切関係ありません
サイト内の画像や文章は無断転載、複製、配布等の利用禁止です
基本ルルーシュ至上主義です 

最近のトラックバック

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

ブログ内検索


上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。