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感謝を込めて 2

ルルーシュ追悼“感謝を込めて”第二弾!!
今度は残される側(特にゼロinスザクとナナリー)のお話です
ちょっと駆け足で書いた気がしますが、今の気持ちの状態で書きたいっと思ったので…^^;

それでは続きからどうぞー










○感謝を込めて、君に涙を贈ろう








第99代皇帝ルルーシュ・ヴィ・ブリタニアを屠った男―ゼロは、急ごしらえの会議室に集まる面々を見渡した。
カレンとジノ、アーニャに付き添われているナナリー。ギルフォードを従えたコーネリア。黒の騎士団の幹部にヴィレッタ。神楽耶と天子を守る様に立つ星刻。なぜ自分達が呼ばれたのかを不審に思いながらもルルーシュのことを知ろうとしているミレイとリヴァル。全てを知っているためか、少々ばつが悪そうにしているロイドとセシル、ニーナ、咲世子、そしてジェレミア。ゼロの後ろに控えているのは、ギアスをかけられたままのシュナイゼル。
全員、表情は強張ったままだ。ゼロは、無理もないと思う。
ルルーシュが討たれて、拘束されていた者達が解放され、ただ泣き叫ぶナナリーをルルーシュの遺体から離し、ゼロはルルーシュの遺体をどこかに持って行った。
どこに持って行くのだと問うと、ゼロはしかるべき場所で葬るとだけ、呟いた。
この会議室にいる面々は、今でもあの時のナナリーの叫びが耳に残っている。


『連れて行かないで!! お兄様を!! 私の世界を!! やめてぇっっ!! 連れて行かないでっっ!!!! お兄様っっいやあああぁぁあああああああぁぁっっ!!!!!!』


あれから、ルルーシュが死んでから、もう3日もたった。もしくは3日しかたっていない。
世界は悪逆皇帝がいなくなったことに歓喜し、奇跡を体現したゼロを讃えている。
しかし、この会議室にいる面々…“ゼロ”の正体をしっていた者達にとっては、そんな単純にはいかない。
重い沈黙を破ったのは、仮面の男。


「今日は集まってもらって申し訳ない。しかし、これからの未来について、君達と話し合っておく必要があるからな」
「………そんなことより、君は一体誰だ?」


ゼロの言葉の途中で、扇が疑問の声を上げる。他の面々からも、同様の疑問が上がった。
何も言わないのは、ナナリーとカレン、コーネリアに神楽耶。そして全てを知っている者達。


「私の正体など、関係ないだろう?」
「―――っな!」
「“ゼロ”と言うのは記号にすぎない。誰が、何が、どれがゼロであれ、記号としての要素があるならば、それは“ゼロ”だ」


言い捨てるゼロ。
そんな彼に、神楽耶が問いかける。


「…真実を、教えてくださる気ではないのですか?」
「真実?」


ゼロが嘲笑する。


「その真実とは、何に対しての真実だ? 世界か? ブリタニアか? 日本か? 超合集国か? 黒の騎士団か? …それとも」
「……お兄様の」


ゼロの言葉に重なって紡がれたのは、3日前から何もしゃべらなかった少女。
ナナリーは、ようやく見える様になった瞳で、ゼロを見つめた。


「ルルーシュの真実を、聞かせてはもらえませんか?」
「…………聞いてどうする? 彼はもういない」


冷たい物言いにナナリーは少し怯えるが、気丈にもぐっと堪える。


「…確かに、お兄様はもういません。もう、遅すぎたと言うこともわかっています。…でも……でも私はお兄様の妹です! お兄様が、何を想っていたのか、それを知りたい!」
「………………」


ナナリーの言葉に、ゼロは黙ったまま。
ふいに、後ろに控えていたシュナイゼルに、ゼロは目配せをする。すると、立ったままだったシュナイゼルが、持っていたケースから書類の束を取り出し、会議室の中央にある机へと置いた。
皆が疑問の視線をゼロに向ける。ゼロは、書類を見ろと告げた。
各々、書類を手に取る。
几帳面に揃えられ、綴じられている書類を読んでいった。
その内、玉城と天子以外の全員が、驚愕の表情となる。
書類に書かれていたのは。


「これは………合集国の今後の運営方針…?」
「こっちは新しいブリタニアの制度とその構築の仕方ですわ」
「こっちには日本の復興計画書が…」
「それだけじゃない……フレイヤに使われた力を電力に変える―――なんてのもある」
「今後起こりうる暴動とその鎮圧について、なんてのも…」
「やだ、アッシュフォード学園の復興計画なんてのもある……」
「こっちは新生徒会編成について…」
「これは、一体……」
「おいおい! どーゆうことなんだよ!! 誰か説明してくれよ!!」
「つまり、今後私達がぶつかりそうな問題についての対処の仕方が、全部ここに書かれているのよ」
「はぁ!? なんだそりゃ!!」


玉城の叫びは、この場にいる者達も叫びたいものだ。
この書類の内容が、と言うのはわかる。だが、誰が、どうして……。
そこまで考えて、全員の考えがある一点に思い至った。
ここまで、こんなところまで考えつく知略の持ち主。それは…―――
全員がゼロに視線を集中させる。


「……そうだ。この書類は、全てルルーシュが作った」
「なぜだ!! なぜルルーシュがこんな…」


星刻の叫びに、ゼロは少し俯いた。
なにも答えないゼロに、周りは眉を寄せる。
しかし、傍で見ていたロイドとセシル、ニーナ、咲世子にジェレミアは、ゼロの肩が揺れているのを知る。きっと、思い出しているのだろう。ルルーシュとの記憶を。
そう思い、ジェレミアがすっと前に出た。


「これはルルーシュ様の願いだからだ」
「………願い?」
「ちょっとぉー、ほんとのこと言っちゃったら命令違反でしょー」
「私はルルーシュ様の僕。しかし、我が主が悪く言われるだけなのは口惜しいのだ」
「本当の、こと……?」


ロイドとしては小さな声で言ったつもりなのだろうが、周りには丸聞こえだ。ナナリーの呟きを聞いて、ありゃあーと首を傾げるロイドを、セシルはとりあえず殴っておいた。


「ほんとのことって、なんなんだよ!! 教えてくれ!! 教えてくれよ!!」
「……リヴァル………」
「ねぇ、ニーナ。あなたは全部知ってるの?」


ミレイの静かな問いに、ニーナは俯きつつも、こくんっと頷いた。
そしてちらりっとゼロを見る。ゼロは、もう震えてはいなかった。


「話して、いただけますか」
「………本来、私がこうして君達を集めてこの書類を見せるのは、彼の計画とは違う。彼は、私がこの書類を見て君達に助言をしたり、時には導く様にしたかったようだったから。でも、“僕”は……」


ぼつりっと呟かれた言葉。最後の言葉は、小さすぎて誰も聞き取れなかった。
それが引き金になったかのように、ゼロは時々詰まりながらも話出した。


「ゼロ・レクイエムが、彼と、私の計画。彼は優しい未来を欲しがった。私の願いも同じだった。だから、私達は一時的に手を取り合った」
「一時的?」
「ゼロ・レクイエムって……?」


アーニャが発した呟きに、なんとなくその内容を理解していたカレンと神楽耶、コーネリアが目をそむけた。
咲世子が淡々と説明する。


「ゼロ・レクイエムとはルルーシュ様がお考えになった計画です。世界が幸せで、優しい明日がある様に。悪逆皇帝となったルルーシュ様が世界共通の敵となり、奇跡を起こすゼロによって殺されるための」


淀みなく言い放った咲世子の言葉に、皆が息を吞む。


「それって……」
「そんな…………」


愕然としている皆。そんな中、ナナリーは気丈にもゼロを見つめた。


「自分を犠牲にして、世界の明日を望んだのですか?」
「そう。そして彼の計画通り、世界はルルーシュを討ったことによって平和になった」
「生きて償う罰よりも、死して償う罪を取ったのですか?」
「そうだ」
「……お兄様は、それで幸せだったのですか…?」
「君は、彼の最期の表情を見ただろう? なら、わかっているんじゃないのか?」
「……………」


黙るナナリー。ゼロも、もう話すことはないと言わんばかりに黙った。
重い沈黙が会議室を支配する。
その沈黙を破ったのは、再びゼロだ。


「……君は、君の兄が命をかけて成したこの世界を否定するのか?」
「…………いいえ」


ナナリーの瞳は、まっすぐゼロを…ゼロを通り越して明日を見ていた。


「私は、お兄様に酷いことばかり、言いました。でも、もう届かないってわかってます。もうお兄様には聞こえないってわかってます。だから、私はこの世界を否定しません。この世界を、もっともっと優しくしてみせます。……だから」


ナナリーはそっとゼロに向かって手を差し出す。いつかのデジャ・ビュだ。


「私と、もっと優しい世界を造ってくださいますか、ゼロ」
「……………ああ、契約しよう」


ゼロはそっとナナリーの手を握り締めた。そしてナナリーの傍に跪いて、彼女にしか聞こえない小さな声で呟いた。


「……君は、強いね、ナナリー」
「…………ありがとう、ございます」


ナナリーは今まで堪えていた涙が流れるのを感じる。
その涙を、優しい指が拭ってくれた。

ありがとう、ゼロ。
ありがとう、スザクさん。

言えない名前はそっと心の中に。
いつか、もっともっと世界が平和になった時、また笑い合える日はくるだろうか?
その世界にあの人はいないけれど。
でも、きっと見ていてくれるだろうから。

……だから。










世界が優しくなるように
世界が幸せでありますように
彼の願いを引き継いで
私と彼は、今日も世界を造る


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2008.09.29 | | Comments(0) | Trackback(0) | 中編小説

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