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真夜中の雲、真昼の月 -5-

はい、ラウンズパロの5話目です!!
今回はラウンズメンバーとルルーシュ。そして悶々なスザクです
ノネット女史の口調がちょっと不安ですが…^^;

とりあえず、続きからどうぞー












○どうしても、知りたかった。








ラウンズ専用の休憩室に、甘い香りが漂う。
テーブルの上には生クリームがたっぷり使われたショートケーキがワンホール。
それを切り分けながら、ノネットは自分より年下の3人に笑いかけた。


「さ、切れたぞ。皿を持って来い」
「ここにもう用意してますって!!」
「私、この苺が2個のが良い」
「ぼ、僕は一番小さいのでお願いします…」


ジノとアーニャ、スザクはそれぞれ皿を差し出す。
彼らは最初、任務がないため休憩室で話をしていたのだが、そこにノネットがケーキを持って現れた。時間も良い頃合いのため、お茶会を行うことになったのだ。


「なんだスザク。甘いもの嫌いなのか?」
「いや、そう言う訳じゃないけど……あんまり、食欲なくて…」
「なに? そんなことではラウンズは務まらないぞ! ほら!」


苦笑していたスザクの皿に、ノネットがショートケーキを乗せる。…明らかに他のより大きい。
スザクが苦笑いをしていると、アーニャが携帯でその姿を撮った。


「スザク、羨ましい…」
「じゃ、じゃあアーニャが大きいの食べなよ。はい」
「…ありがとう、スザク」


スザクと皿を交換すると、アーニャはすぐにそのケーキを食べた。
それを見てノネットが苦笑する。


「アーニャ、まだお茶が入っていないぞ?」
「無理。美味しそうなケーキなのに、我慢できない」
「あはは! 確かに! じゃあそう言う訳で、私もいただきまーす」
「ジノ……」


くすくすと和やかな雰囲気。スザクはほっと一息ついた。
ノネットが入れる紅茶の香りが部屋に漂う。
ゼロが…ルルーシュがラウンズに入って、もう1か月がたつ。彼は忙しいらしく、あの顔合わせ以来、スザクは会っていない。
このまま彼と顔を合わさずに済んだら…。そう思うが、同じラウンズ…それも彼が指揮官であることを考えると、そんな訳にもいかないだろう。
スザクはケーキを食べている3人に気づかれない様に、小さくため息をついた。
すると、休憩室の扉が開かれる。
休憩室に入ってきたのは、スザクが先ほどまで考えていた人物。スザクは思わず頭を抱えそうになった。


「おお! ゼロじゃん。珍しいな、休憩室にくるなんて!」
「………ヴァルトシュタイン卿を見なかったか?」
「急ぎなのか?」
「そうでもないが」
「執務室は?」
「いなかった」
「じゃあきっと謁見室」


アーニャの言葉に、彼の形の良い眉が歪んだ。


「……そうか、邪魔したな」
「まあ待て待て」


休憩室から出て行こうとしたゼロを引きとめたのはノネット。
彼女は立ち上がると、ゼロの腕を掴んで無理やりソファーに座らせる。
ゼロはノネットを睨んだ。


「何の用だ?」
「お茶ぐらい飲んでいけ」
「結構だ」
「年上の誘いを断るのはよくないぞ」
「そうそう! ちょっとくらい構わないって!」


立ち上がろうとしたゼロを、ジノが留める。ゼロは見た目通りらしくジノの力には敵わない。
眉を寄せるゼロを、アーニャが携帯でパシャリと撮った。
スザクは無言でゼロを睨む。湧き上がってくるのは怒り、憎しみ、苦しみ、そして…。
そこまで考えて、唇を噛んだ。僕は、また…っ!


「はい、どうぞ」
「……………どうも」


ノネットに差し出されたケーキをゼロは渋々と言った様子で受け取った。そしてしばしケーキを見つめる。
その様子に、ノネットとジノは首を傾げた。


「どうした? 食べないのか?」
「美味しいぞ?」
「…あ、ああ」


2人に促されて、ゼロは顔を強張らせながら、おずおずとフォークを手に取った。
ほんの少しだけケーキを取ると、意を決したのかぱくりと口の中に運ぶ。
たかがケーキで何をそんなに。と、4人はゼロの様子を見ていた。
まさか甘いものが苦手とか? 他の3人が考え付いた理由は、スザクの中ではありえない。1年前、まだ何も知らず、彼と友人だった時に、彼の好物を聞いていたからだ。彼は、甘いものは苦手ではないはず。むしろ苺は彼の好物だ。
4人が怪訝な表情で見つめる中、ゼロの咀嚼が急に止まる。
ゼロは小さく、うっと呟くと口元に手を当てた。何かに耐えている様だ。顔色も、いつも以上に…紙の様に青白くなっている。
そこまで考えて、4人の思考はやっと動き出した。


「ぜ、ゼロ!? 大丈夫か!?」
「吐くか!? と、とりあえずティッシュ!! ティッシュはどこだ!?」
「…ここにある。大丈夫? 吐いた方が、きっと楽」
「み、水いる!? えと、水差し水差し!!」
「それより紅茶は!?」
「ジノ、熱い紅茶じゃあ飲み干せない」
「水差しあったぞ!! コップ!!」
「コップ!! こ、これで良い!?」
「ゼロ!! 水!!」


ノネットから水を受け取るやいなや飲み干すゼロ。勢い良く飲んだため、気管に入ったのか少しせき込んだ。そのゼロの背中をアーニャがそっと撫でる。


「……………ああ、すまない。迷惑をかけた」


まだ少し青白いが、幾分かましになった表情で話すゼロに、4人はほっと一息つく。

(―――って僕は何で…!)

ノネットはすまなそうにゼロを見た。


「すまないな。甘いもの、苦手だったんだろう? それなのに無理に食べさせて…」
「……いや、そうではない。甘いものはどちらかと言えば好きな方だ。だから謝らないでくれ」
「苦手じゃないのか? じゃあ?」
「その……胃の調子があまり良くなくてな」
「胃……ストレス? ジノの後始末しなくちゃいけないから?」
「私限定なのか!? アーニャやスザクだってそうだろう? な、スザク!」


いきなり話を振られて、スザクは慌てて頷いた。それを見てジノは満足したのか、アーニャにほらみろと言った笑みを浮かべた。
そんなジノに苦笑すると、ゼロはソファーから立ち上がる。


「って、ゼロ? どこ行くんだ?」
「場の雰囲気を乱してすまない。私は退散するとしよう」
「まだ、顔色良くない」
「ヴァルトシュタイン卿に報告するのが、今日最後の仕事だ。それが終わったら自室で休むさ」


そう言い残してゼロは休憩室から出て行った。
ジノは眉を寄せる。


「なーんか心配だよな」
「あいつ、私より細かったしな。食事くらいまともに摂らないと、しまいには倒れるぞ」
「……食事とか、あまり頓着しなさそう」
「確かにアーニャの言う通りだな。な、スザク」
「………………」
「スザク?」
「…あ、ああ。そう、だね」


歯切れの悪いスザクに、ジノは怪訝な顔をしたが、スザクもゼロが心配なんだろうと勝手に解釈した。


「今度ゼロに消化の良い食べ物でも持ってくか!」
「……………」


自分の中にある矛盾した気持ち。
彼のことが憎くて憎くて、ざまあみろと考えている自分。
彼のことが心配で心配で、今すぐ彼の元へ走りたい自分。
しかも、後者の気持ちが強いのは何故だ。

彼は、自分にとって仇なのに…っ!!

スザクは拳を握り締める。
その眼には、迷いが揺らめいていた。










彼を憎みたい殺したい
彼を愛したい生かしたい
矛盾した、相反する気持ち

自分はいったいそのどちらをもとめているのだろう?
自分はいったいそのどちらであってほしいのだろう?

答えは、まだ見えない

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2008.09.26 | | Comments(0) | Trackback(0) | 捏造・長編/真夜中の雲、真昼の月

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